「え、あのお店もうないの?」そんな声を最近よく聞くようになりました。私たちの身近にあったチェーン店が、いつの間にか静かに閉店している。目立つニュースにはならなくても、じわじわと進む閉店ラッシュに驚いている人も多いはずです。
今回は、完全に姿を消したチェーン店から、減少が続いているもの、そしてまだ営業しているのに「もうない」と思われがちなブランドまで、今どうなってる?をまとめてみました。

たしかに!昔よく見かけたお店、気づいたらどんどん消えてる気がする…!

せやろ?いつの間にか無くなってて、「あれ、ここ前なんやったっけ?」ってなるやつやな。
完全に消えたチェーン店たち
まずは、すでに完全に閉店・撤退してしまったチェーンたちから。今ではもう店舗自体が存在せず、「あれ、いつの間に…?」と記憶の中にしか残っていないブランドたちです。
サンデーサン
かつて全国各地に展開していたファミリーレストラン。落ち着いた雰囲気で、家族連れや年配層にも人気がありました。
1971年に山口県で創業し、最盛期には全国展開。2007年にゼンショーグループの傘下に入り、その後ブランド統合が進行。最終的には2013年までにすべての店舗が閉店または他ブランドに転換され、完全に姿を消しました。
ベッカーズ
JR東日本関連の会社が運営していたハンバーガーチェーン。1986年に1号店をオープンし、関東近郊のJRの駅ナカを中心に展開していましたが、2022年11月22日をもって全店閉店し、37年の歴史に幕を下ろしました。
ファミール
イトーヨーカドーグループのレストラン部門として1972年にオープンし、全国に200店舗近くを展開していましたが、2019年9月に全店閉店しました。家族連れに親しまれたファミリーレストランでした。
CASA(カーサ)
西武セゾングループが展開していたファミリーレストラン。1978年に1号店をオープンし、全国に店舗を展開していましたが、2021年10月に全店閉店しました。西武百貨店やパルコなどの商業施設に多く出店していました。
アンナミラーズ
アンナミラーズは、1973年に東京・青山に1号店を開店し、最盛期には関東圏に26店舗を展開していました。しかし、生活スタイルの変化などにより、2012年以降は高輪店のみの営業となり、2022年8月31日をもって閉店しました 。現在は、オンラインショップや期間限定のポップアップショップで商品を販売しています 。
サークルKサンクス
コンビニチェーンとして親しまれた「サークルKサンクス」は、ファミリーマートとの経営統合によって2018年頃にはすべての店舗がファミマに転換。ブランドとしては完全に消滅しました。
「見なくなったけど、まだある」激減中のチェーン店たち
次は「完全に消えたわけじゃないけど、最近見かけないな…」というチェーンたち。実は今も細々と営業している店舗があったり、地方に絞って生き延びていたりします。
サブウェイ
ヘルシーなサンドイッチで人気を博したサブウェイも、かつての勢いはすっかり影を潜めました。店舗数はピークの半分以下になり、都市部の駅ナカや商業施設から静かに姿を消している印象です。
ナポリの窯
宅配ピザ界のサブブランド的存在だった「ナポリの窯」。他社との差別化を図った本格路線が支持を集めましたが、採算性の問題や競合の台頭により、徐々に縮小。多くの地域で閉店し、現在は見かける機会がほとんどなくなりました。
ファーストキッチン
ファーストキッチンは、1977年に創業し、日本生まれのファストフードチェーンとして全国に店舗を展開してきました。しかし、近年は「ウェンディーズ」とのコラボレーションにより、「ウェンディーズ・ファーストキッチン」としての展開が進んでいます 。例えば、渋谷センター街店は1978年に開店し、44年間営業を続けてきましたが、ビルの建て替えに伴い2023年1月22日に閉店しました 。現在も「ウェンディーズ・ファーストキッチン」として営業を続けている店舗がありますが、「ファーストキッチン」単独のブランドとしては、徐々に姿を消しつつある状況です。
東京チカラめし
牛丼より焼き牛丼という独自のポジションで一時期話題になったチェーン。急拡大のあと、品質のばらつきや店舗管理の問題から客離れが進み、2020年代にはごくわずかな店舗を残してほぼ姿を消しています。
バーミヤン
中華ファミレスの定番だったバーミヤンも、近年は都心部から姿を消しつつあります。すかいらーくグループの方針転換で店舗の再編が進み、地域によってはほとんど見かけなくなった人も多いのでは?
「えっ、まだあったの?」残ってるのに消えたと思われがちな店
実際には営業中なのに、なんとなく記憶から消えてるようなブランドってありますよね。ここでは、そうした「現存してるけど、見かけない」チェーンを紹介します。
ジョナサン
東京や神奈川では今も見かけるジョナサンですが、他地域ではほとんど店舗がありません。そのため、全国展開していた印象とのズレから「消えたチェーン」と誤認されがちです。
ドムドムバーガー
日本最古のハンバーガーチェーンとも言われるドムドム。大手に押され一時は激減しましたが、現在はご当地チェーン的な立ち位置で再評価されています。見つけたら逆にラッキーかも?
なぜチェーン店の閉店がこんなに多いのか?
ここ数年で目立つ閉店ラッシュ。背景にはさまざまな要因があります。まず、物価の上昇にともなう原材料費の高騰。さらに人手不足により、人件費も増加傾向です。
加えて、都市部では賃料の高騰や契約更新問題も。チェーン店にとって複数店舗を維持することのリスクが年々大きくなってきています。
さらに大きいのがフランチャイズ構造の限界。FC本部と加盟店の間で意見が合わず、一斉に撤退してしまうケースも少なくありません。天下一品や餃子の王将も一部でそうした問題が起きています。
そして忘れてはならないのが、コロナ禍の影響です。感染拡大防止のための営業制限や来客数の急減は、特に外食チェーンにとって大きな打撃となりました。売上が戻らないまま撤退を選ぶケースも多く、閉店加速の一因となっています。
次に危ないかもしれない?閉店が心配されているチェーンたち
ここからは、「最近あの店見かけないけど…」とSNSなどで囁かれているチェーンを紹介。ただし、あくまで“現在も営業中”なので、実際に閉店しているわけではありません。
天下一品
「こってりラーメン」でおなじみの天下一品も、都内を中心に閉店が続いています。2025年6月には首都圏の10店舗が一斉閉店予定で、首都圏全体の約3割に相当します。背景にはフランチャイズ戦略の見直しや、価格高騰による競争激化があるとみられています。
ロッテリア
事業売却をきっかけに「消えるのでは?」と噂されたロッテリア。現在も営業は継続中ですが、今後の方針によっては大幅な店舗整理もあり得ます。
餃子の王将
ファンも多い餃子の王将ですが、店舗ごとに運営母体が違うため、フランチャイズ店舗が閉店するケースも増加。ブランド全体のイメージとは別に、地域差が大きく出ています。

閉店=人気がない、とは限らへんのやで。見えへんところで、いろんな事情が動いとるもんや。
「消えた」の裏には、時代の流れと地域差がある
こうして見ていくと、「消えた」と感じるチェーン店の多くは、完全に閉店していたり、大幅に縮小していたり、または単に行動範囲から外れてるだけだったりと、理由はさまざまです。
インフレや人件費の問題、そしてSNSの感度の高さもあいまって、昔はどこにでもあったのにというブランドがひっそりと姿を消していく——そんな時代なのかもしれません。

見かけなくなったからって、すぐに「もう終わった」って思うのは早いのかもね。ちゃんと今も頑張ってるお店もあるし…!

せやなぁ。目立たへんとこで、静かに続いてる店もあるんよ。たまに見つけると、ちょっと嬉しなるやろ?