夫婦別姓って、今の日本でどこまでOKなの?
親子別姓って、勝手にできるの?手続き必要?
そんなふとした疑問に向けて、この記事ではここまではOK/これはNGという境界線を、ゆるく整理してみました。
法律の細かい話に入りすぎず、実際の暮らしで起きがちな別姓パターンや、「それってアリなの?」と気になるシーンを中心に解説していきます。

あれ?夫婦別姓ってもう普通にできるんだよね? 仕事とかSNSでは旧姓使ってる人、よく見かけるし。

おっ、それな。確かに見かけるけどな、あれはあくまで通称使用ってやつで、戸籍上は同じ名字じゃないとあかんのやで。
法律婚では夫婦別姓はNGだけど、生活レベルではどこまでOK?
戸籍上の同姓義務とは?
まず、日本では法律上の結婚(いわゆる法律婚)をする場合、夫婦はどちらかの姓に統一しなければなりません。これは民法750条で定められており、完全な「別姓」は認められていません。
ただし、どちらの姓を選ぶかは自由で、実際には夫の姓に合わせるケースが多いですが、妻の姓を選ぶことももちろん可能です。
つまり「戸籍上」は同じ姓にする必要があるというのが、今の日本のルールです。

よくある嫁入りか婿養子かってやつね。
通称使用・名刺・SNS・仕事で旧姓はOK?
法律上は同姓でも、仕事上では旧姓を使い続けることが可能です。名刺やメールアドレス、SNSなどでは旧姓を「通称」として使っている人も多く、銀行などの一部手続きでも旧姓を併記できる制度が整ってきています。
また、事実婚(結婚届けを出さずに同居・生活を共にする関係)を選んで、戸籍を別にしたまま別姓で暮らすケースも増えています。

とはいえなぁ、病院や役所では戸籍名じゃないとNGな場面もまだまだ多いんや…
そんな地味なトラブルは、こちらでまとめています
▶夫婦別姓にしたら困るのはどこ?

じゃあさ、親子別姓はどうなの? 夫婦と一緒で法律的にはアウトってこと?

ええ質問やな。親子の場合はちょっと事情がちゃうんや。制度上、自然と名字が違うケースもあるし、手続き次第で変えることもできるんやで。次は親子別姓について見ていこうか。
親子別姓って実際どんなときに起きるの?自然発生する“バラバラ”事情
離婚・再婚・外国人配偶者のケース
親子別姓は、「珍しい」どころか、実はよくある話です。たとえば、両親の離婚後に母親が旧姓に戻っても、子どもがそのまま父の姓を名乗り続ける場合などがそうです。
また、再婚しても新しい配偶者との間に養子縁組をしなければ、子どもの姓は変わらず、結果的に“親子別姓”になります。
国際結婚でも同様に、親と子の姓が異なるケースは珍しくありません。
子ども自身の希望で名字変更することも
親子別姓を解消したい場合や、親と同じ姓に変更したい場合には、「家庭裁判所に申し立てて許可を得る」必要があります。
実際には、親権がある親の姓に変えたいという理由が多く、その正当性を裁判所が判断する仕組みになっています。
ちなみに、こうした場面では子どもの名字どうする問題でもめることも多いです。家族内でのもめポイントはこちらにまとめてます
▶子どもの名字はどうなるの?
子どもの気持ちはどう?かわいそう論議のリアルな声
子どもが泣いた・戸惑ったケース(SNS・座談会の声)
名字が違うことで、学校や病院で“あれ、この人本当に親?”と誤解されるケースもあり、子どもが不安になったり傷ついたりすることもあります。
SNSでは「苗字が違って友達にからかわれた」「通知表が別姓で返ってきて嫌だった」など、リアルな声もちらほら。
専門家の反論「名字が違っても心の安心感に関係ない」
一方で、名前が違っても家族としての関係性や愛情には影響しないという意見もあります。
名字が違うことで逆に「他人の目を気にせずに済むようになった」というポジティブな声も存在します。
このあたり、実際に困った体験談も。親子別姓のちょっと困ったケース集はこちら
▶親子で名字が違うって不便なの?
名字変更はいつから・どうやる?子どもは何歳で手続きできるの?
家庭裁判所を通さないといけないケースって?
子どもの名字を変更したい場合、多くは家庭裁判所を通す必要があります。
親の再婚後に継親の姓に変えたい、逆に元の姓に戻したいなどの場合は「子の氏の変更許可申立て」を行います。
裁判所が「正当な理由」と判断すれば、名字変更が認められる仕組みです。
15歳以上なら本人意思がいるって本当?
15歳以上の子どもの場合、名字変更には本人の意思表示が必要です。たとえ親が希望しても、子ども自身の同意がなければ変更できません。
逆に15歳未満なら、親権者が手続きを進めることが可能です。
子ども自身が名字変えたいって思ったときの実情、もっと深掘りしてるのがこっちの記事
→ 子どもの名字はどうなるの?
旧姓・通称は自由?別の名字を選ぶのはダメって本当?
「旧姓=自由」じゃない!使いどころとルール
旧姓の通称使用はあくまで“通称”であって、公式な書類や戸籍に記載されるものではありません。
多くの企業では旧姓使用を認めていますが、法律的には「戸籍上の名前」ではないため、制限もあります。
銀行口座開設やパスポート、マイナンバーなどでは原則戸籍名が必要です。
「好きな名字」に変更はできない仕組み
「じゃあ、全く別の名字にしたい!」と思っても、残念ながら自由に新しい名字に変えることはできません。
名字の変更には「やむを得ない事由」が必要で、勝手に「田中→桜井」などと変えることはできないのです。
このルールは、夫婦別姓でも親子別姓でも共通です。どちらのケースでも、姓を変更するには正式な手続きと“正当な理由”が求められる点に注意が必要です。

あれ?でもさ、キラキラネームとかで名前を変えたいって話はたまに聞くけど…好きな名前にできるんじゃなかったっけ?

ああ、それな。名前も変更できんことはないんやけど、これも家庭裁判所の許可がいるんよ。いじめられとるとか、社会生活に支障が出てるとか、ちゃんとした理由が必要になるんや。15歳以上なら本人が申し立てることもできるで。
ここまではOK・ここからNGをイメージ図でスッキリ整理
最後に、ここまでの内容をざっくり整理すると、こんな感じになります。
【夫婦別姓まわりのOK/NG】
- 戸籍上は夫婦同姓が義務(=別姓NG)
- 通称使用や旧姓使用はOK(ただし公式書類はNG)
- 好きな名字に変えるのは不可(正当な理由必須)
【親子別姓まわりのOK/NG】
- 親子別姓は自然発生あり(離婚・再婚・国際結婚など)
- 名字変更は家庭裁判所の許可が必要
- 好きな名字に変えるのは不可(正当な理由必須)
それぞれのパターンで生活にどう影響するか、体験談ベースで知りたい人は関連記事からどうぞ。
- 夫婦別姓にしたら困るのはどこ?病院・学校・書類での“地味トラブル”まとめ
- 子どもの名字はどうなるの?夫婦別姓でもめるポイントをわかりやすくまとめてみた
- 兄弟で苗字が違うってアリ?“親子別姓あるある”を観察してみた
- 親子で名字が違うって不便なの?“親子別姓”あるあるとちょっとした困りごと

なるほど…なんとなくOKとNGの感覚はつかめてきたかも。制度はまだいろいろ課題もあるけど、うまく使いこなしていけるといいよね。

せやな。制度について知っとくだけでも、いざってときに選べる道が増えるからな。